いまはみんな彼女の元からいなくなってしまって、たくさんお部屋のあるお家で彼女はひとりで暮らしています。 わたしが望むのは・・・目を開けてほしい。 二人と別れた帰り道、私は出前帰りの鶴乃ちゃんと道端で偶然出会い、事の顛末を話すと鶴乃ちゃんはこう言いました。 それでも、電話越しに話した昨夜の内容を思い返すと意図せずして身が引き締まってしまう。 大切な仲間たちとの思い出がたくさんあるのに、好きで独りでいるフリをしていて。
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今すぐここから消えてなくなりたいと思った。 魔法少女の体は魔女との戦いの中でどんなに傷ついたとしても、自然に治るようにできています。 口づけを解けば、魔女に操られていた前後の記憶は忘れてしまうはずなのに、未だ残る強い絶望とは。 だから、死んでいる」 「……何を、言ってるんですか……?」 「そこの魔法少女、梓みふゆが、お前に幻覚を、悪い夢を見せていたんだ」 「何を言ってるのかって聞いてるんですよ! わけがわからないんですよ!」 青ざめていた少年の顔に、血の色が戻ってくる。 あれは3年前ある魔女を倒すためにわたし達は戦った。 「何を占ってたんだ?」 俺も占ってくれよ、とは言わないでおいた。 それからあなたを見てると胸が熱くなってもっと一緒にいたいって思うようになって気づいたらいろはのこと好きになってたの」 いろはの顔に近づいてやちよはキスをした。
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「もう眠いんですか?」 「ちょっと... (…………………………えっ?) ぎょっとした顔の水波レナが、こちらを見ていた。 7年という月日をかけて熟練した彼女の魔法は、攻撃、防御ともに完璧と言っていいほどでした。 当たらずとも遠からず、だな……」 「……『読心』の魔法、すごいですね。 「知らないねぇ。 けれど、私には、もっと灯花ちゃんに伝えなくちゃいけないことがある気がする。
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決して忘れていたわけではないが今は授業中だ。 本当は写真を撮ったら終わりにするつもりだったんですけど、ちょっと人形が可愛すぎて、つい」 困ったように笑ういろは。 背格好からすると、中学生ぐらいだろうか。 教えてくださいいろはさん、学力偏重主義の世の中は間違っていると思いませんか?」 「話が飛躍しましたね?」 「勉強よりも大事なものがきっとあると思うんです!それをね、個人の価値であるかのように成績をつけられ、まるで個体識別番号じゃないですか!?」 「それは少し大袈裟なような…」 「もう嫌です~!勉強したくないです~!なんでこんな簡単な問題もわからないの?って言われたくないんです~…」 段々と声がか細くなって、最後の辺りはよく聞き取れなかったけど、言いたいことは何となく理解出来た気がする。 「ミザリーウォーター、電波少女、それに、記憶ミュージアム」 「うん」 光景が次々に呼び起こされる。
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やちよさん、もう」 やんわりと注意するが、聞き入れてくれるやちよではない。 得意なことや夢中なこと、生きがいや将来の夢。 「……俺、昨日は放課後に安名と会ったんです」 「昨日はバレンタインだな」 「はい。 いろはちゃんの傷は確かに治すことはできたわ」 「ならいろはは」 「でもね、意識が戻らないの」 「え・・・どう・・いうこと?」 みたまのいうことがすぐに理解できなかった。 一人で生き続けると思ってたのにあなたのおかげで大切な仲間ができた。 しかし当の本人は、懲りるそぶり一つ見せず、むしろ不幸を覚悟してこそ危機を回避する、運命は切り開くものなのだと熱弁する。 そばにいって手を握っていろはに声を掛ける。
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紺色の地に、金の星と月をあしらった、ちょっと大人っぽくておしゃれな袋。 みふゆさんは万々歳の大盛りをペロリと平らげていたって… 「いろはさん、少しだけお姉さんからの忠言です。 でしたっけ?」 「はい。 その影響でいろはちゃん意識がもう戻らないかもしれないの」 「うそ・・・うそよ・・だってさっきまで、私の腕の中で・・・ねぇ治してよ、みたまあなたならできるでしょ?ねぇ治してよ!いろはを治してよ!!」 みたまはただ黙って首を振る。 けれど、無駄だと切り捨てられてることの中にも、素敵なものがきっとたくさんあるはずだから。 (………………もしかして。
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