ほう、と落胆ではなく安堵の意を込めた溜息を吐けば、養父は「おやおや」と苦笑した。 そう思いながら、フィリミナも意識が遠のき倒れてしまいます。 そもそもエギエディルズは、フィリミナには飛び級で進級したことを伝えてはいなかった。 リアルの悪人はなにを言われようと絶対に改心することはないんですけどね。 原作ノベル読めばいいんだろうけど、漫画家さんの絵に惚れて読んでるんだよ。 浮き立つ心のままに、小さく「フィリミナ」と誰よりも何よりも大切な響きを口にするエギエディルズの耳に、エギエディルズの顔から血の気が引く台詞が聞こえてきたのは、次の瞬間だった。 そうして、幾重にも重ねられた薄紙の中から現れたのは、光の角度によって、時に青、時に緑、時に紫と、様々に色を変える、流れるような曲線が表面に描かれた硝子ペン。
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自分はまだ彼女に待ってもらえているのだと、期待されているのだと、そう確認することができたのだから、安堵せずにいられる訳がない。 養父は時折こうして面会しにやってきてくれるけれど、それは彼がエギエディルズの身内であるからこそだ。 そこにルナが突然やってきます。 そして、助けてとエディの名前を叫ぶのでした。 一見するに、これはただの宝石ではない。 そして… 「シュゼット?」と声をかけられて…。 セルヴェスが話し終えると、フィリミナはセルヴェスに質問をします。
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じわりと胸の内から広がる喜びと達成感に浸るエギエディルズの耳に、フィリミナのどこか得意げな声が届く。 『時々……本当に時々で構いませんから、わたくしのことを、フィリミナ・ヴィア・アディナのことを、思い出してくださいまし』 「!!」 その瞬間、大きく息を呑んだ自分のことを、誰が責められるというのか。 「もし私が悪夢から目覚めなかったら、どうしていた?」と。 ルナはセルヴェスの婚約者でした。 魔術士オーフェンはぐれ旅のあらすじ紹介 かつて天人種族と呼ばれるドラゴンの一族によって、外界との接触を遮られた孤立した大陸であるキエサルヒマ大陸を舞台に物語が始まります。 そのことを冷静に受け止めるエギエディルズを、養父は穏やかに見つめている。 わがままなんてとんでもない。
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ほとんど粉末になっているその破片は、手のひらに突き刺さることはなかったが、エギエディルズの心には大きく波紋を描いた。 どうして。 セルヴェスの家はルナの家よりも下のため、ルナの言うことには逆らえないのでした。 まさか。 でも綺麗に終わるってありがたい。
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「私が言うよりも効果的だろう?」と言いたげな、茶目っ気たっぷりの視線に居心地を悪くしていると、ゴホン、と咳払いする声が魔法石から聞こえてきた。 ルナもそれを聞いてなにか衝撃を受けた様子。 『夏季休暇にも冬期休暇にも帰っていらっしゃらないのですもの。 幼い時に、精霊からエディを庇って背中に傷が出来る。 漆黒の髪を持つことで皆から疎まれてた彼は、フィリシアの優しさに心癒されます。 手紙には何度も「お休みはいつですか?」「次は帰っていらっしゃるのかしら?」と綴られていたけれど、そのたびに「今回は帰らない」「忙しいから」と下手な言い訳と共に断りの文句を繰り返してきた。 とはいえそんな養父のことを抗議を込めて睨むこともできず、エギエディルズは呆然とその場に立ち竦む。
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エギエディルズの魔力に応え、魔法石が淡く光を発し始める。 睡眠不足で倒れたことがきっかけで、エディのそばを離れないようにと、職場でも一緒に過ごすようになっていたのでした。 ただ、お前にとってはきっと、本命はこちらだろうからね。 助けが遅くなったり理由を説明するアルヘルム。 それゆえに彼女が想像していた姿に変身できずに、混乱と困惑の中で異形の怪物へと姿を変貌させてしまい、感情を制御できないまま理性を失い、塔から姿を消してしまいます。 シュゼット(フィリミナ)の事が好き。
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フィリミナは自分よりエディにふさわしい女性がいることを知っていました。 それなのに要らぬ期待を抱かせるような真似はできなかったし、本音を言ってしまえば、飛び級を彼女が喜んでくれずに「あらそうですか」とあっさり流されてしまうかもしれないと思うと報告なんてできるはずもなかった。 by ツンデレ、最高! ネタバレありのレビューです。 もう一度フィリミナの声を再生しようとしても、それは叶わない。 思わず漏らした声に、ぶふっと養父が吹き出すのが視界の端に入った。
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通信用魔法石を応用して創ってみたんだ。 スレイヤーズのような明るさに加え、独特のダークファンタジーのカッコ良さが混在し、時には二枚目、時には三枚目な主人公のオーフェンの活躍に、胸を躍らせた当時を思い出したい人におススメな作品でもある今作。 小さく苦笑した彼は、おもむろにエギエディルズの前に、ちょうど両手で持てる大きさの包みを差し出した。 ISBN 9784758091176 / 四六判 本体1,200円+税 2018年11月02日発売• 責めてくれない。 何せフィリミナの声そのものを届けてくれたのだから。
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