それから二日ほどたった夜ふけのこと、 港 ( みなと )区の 白金 ( しろがね )町にある 妙慶寺 ( みょうけいじ )というお寺の墓地に、またしても、あの銀色の化けものがあらわれたのです。 マユミさんは立っていって、ポケットのかぎで、ドアをひらきました。 夜光人間は化けものです。 こいつを、このまま門のほうへ、ひっぱっていくんだ。 もう三十メートルほど進んだのに、なにもあらわれないのです。 そのカーテンのすきまから、窓ガラスが、二十センチ幅ほど見えているのですが、そのそとに、夜光の首が、ふわふわと、ただよっているではありませんか。 」 井上君も、ささやきかえしました。
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」 それは、おしょうさまの弟子の、常念という若い坊さんでした。 「なに、銀色の首だって?」 おまわりさんが、みょうなふくみ声で聞きかえしました。 おせい:• 見放題作品80,000本、レンタル作品50,000本 高画質はもちろん、ダウンロード機能やスマホ、PC、タブレット、TVなどほとんどのデバイスに対応しているのでお好きなデバイスで楽しむことができます。 この男は、頭も、顔も、手も、すっかりかくしてしまっているのです。 氷嚢、体温計、苦いけれど甘い水薬、熱病の夢、即興詩、石盤石筆と、紙と筆と、そして絵と、絵文字と、この豊富な魅力が彼を病床に、引いては病気そのものに惹きつけた。
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衝撃的なストーリーのなかに潜んでいる、究極ともいえる夫婦愛に感動するかも。 杉本さんも、小林君も、そのたびに、書斎の中を、うろうろするばかりです。 ちょうちんのあかりが暗いので、はっきり見えないのです。 志摩子:• 」 「ウフフフフフ……、おくの手があったのですよ。 『』 1973年7月 脚注 [ ] []. ラストまで読むと、この2編がどういうコンセプトでチョイスされたのかが分かりました。 みんな勇気のある少年たちですから、そのくらいのうわさがあるほうが、かえって、きもだめしには、つごうがよいのでした。 江戸川乱歩は日本を代表する推理作家である。
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夜光の首が、四つあるのではないかと、うたがわれるほどでした。 「それじゃ、みんなで、そいつを、たしかめに行こうじゃないか。 また、 映画やドラマをアップロードすることは、完全に違法ですし、その違法アップロードされた動画を見ることもダウンロードすることも違法なんです。 「マユミ、わしが、なぜここへきたか、わかるかね。 天狗になるよりはいいのかもしれませんが……乱歩はちょっと謙虚すぎるのかも……。 」 小林少年が、ちょっと井上君をからかってみました。 それが、グウッと、窓ガラスにくっついてきました。
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いくら怪物でも、ふたりの力には、かないません。 警官たちはドアの前につきすすみ、マユミさんのかぎをかりて、ドアをそっとひらき、すきまから、暗闇の部屋をのぞいてみました。 内気な男から算盤の暗号で恋を告白される事務員。 拙いと自信している小説など書くよりは、どんな不自由をしても、進んで月給取りに転業すべきであったのだろう。 さっき、ヒノキのてっぺんで、夜光人間が、だんだん消えていったのは、黒いズボンをはき、黒いシャツを着、黒いマントをはおって、つぎつぎと、光るからだをかくしていったからです。 そのスギの木の下に、黒シャツをぬいだ全身銀色の人間が、こちらをむいて、つっ立っているではありませんか。 」 「まあ、やっぱり、小林さんは、えらいわねえ。
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じつに、きみのわるい顔色をしていた。 」 杉本さんは、そういって、名刺をたいらにもって、小林君の目のそばへ近づけて見せるのでした。 小林君の正確な腕時計が、九時五十九分をしめしました。 夜光人間は負けたようにみせかけて、チンピラどもに、ひっぱられていったが、おもいきりひっぱらせておいて、にせの手を、パッとはなしたのだ。 積極的になればよいというものではない。 「あれはだれかが、いたずらしているんだよ、黒い服を着ているので、首ばかりのように見えるんだ。 しかし、いくらふりほどいても、つぎの瞬間には、少年たちが取りついていました。
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小林君をさきにたてて、七人の少年が、森の中へはいっていきましたが、森の中は、ただまっ暗で、あやしい光りものなどは、どこにも見えません。 その赤い目の銀色の首は、しばらく、ふわふわと、宙にただよっていましたが、とつぜん、つつつつ……と、井上君の目の前に、とびかかってきたではありませんか。 「で、その宝物というのは、どこにおいてあるのですか。 夫は叱責のまなざしで彼女を睨みつけ、刺すような目で彼女を見据えました。 誰にもバレない計画だったはずが、ついにあの名探偵に見破られてしまった人見廣介がとった行動とは…!?バレたらどうしよう…という一人二役のハラハラ感が味わえるうえ、後半のパノラマ島の描写は、自分の想像力を駆使しながら読んでいくのが楽しいと評判。 ちなみに「算術の問題」とは、こちらの本家「何者」では、 容疑者が二人いて一方が潔白だとしたら、残る一人が犯人に決まっている、という意味。
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それを、なかまのやつが、屋根の上へ、ずるずると引きあげ、そのまま、ふたりは、屋根づたいに、どこかへ、逃げてしまったのにちがいありません。 」 男はそういって、壁のところへとんでいって、スイッチをおしました。 江戸川乱歩の代表作とネガティブの関係性 1923(大正12)年 29歳 『二銭銅貨』でデビュー 1925(大正14)年 31歳 『心理試験』『D坂の殺人事件』『屋根裏の散歩者』『人間椅子』 1926(大正15)年 32歳 『火星の運河』『鏡地獄』『パノラマ島奇談』『人でなしの恋』 1927(昭和2)年3月 ~ 1928(昭和3)年6月まで 最初の休筆 1928(昭和3)年 34歳 『陰獣』 1929(昭和4)年 35歳 『芋虫』『孤島の鬼』『押絵と旅する男』『蟲』 1931(昭和6)年 37歳 『盲獣』 1932(昭和7)年3月 ~ 1933(昭和8)年9月まで 2度目の休筆 1933(昭和8)年 39歳 『悪霊』を書きはじめるも翌年中絶 その後は、評論や子供向けの作品が中心になっていきました。 こんな怪物が、地球上にあらわれたことが、いちどだってあったでしょうか。 恋人を殺された主人公の簑浦金之助が、友人の諸戸と共に事件の真相を追い奔走する様子はスリル満点。 それでも、まだ気づかないで、二本のにせの腕にしっかりだきついたまま、たおれている。 ギョッとして、そのほうを見ますと、またしても、そこの黒板塀に、あの銀色の、まっ赤な目の顔が、あらわれていたではありませんか。
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