[from]岳さん [sub]お願い [本文] お疲れ様です。 幻想的な街の輝きが消えて、視界が人の目線になった。 そして今日、彩音ちゃんとの現場の話をしていた時に、甥がある写真が欲しいと言ってきました。 また、詳しい話は来月の写真選びの時にマネージャーさんも交えてお話させてください。 暗闇の世界に温かな雫が何度も何度も落ちて、弾けて、散った。 今日は、彩音ちゃんにお願いがあって連絡させていただきました。
次の言葉にならない気持ちが、胸を締め付ける。 夜遅くにすみません。 すると、また携帯電話が短い音と共に緑色に光った。 手繰 たぐ り寄せられて鼻先まで来た輪っかは、人の顔ほどの大きさだった。 それに合わせて身体が前のめりになった。 目の前には、上から小さな輪っかが垂れ下がっている。
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伸ばされた細い手は、小刻みに震えている。 携帯電話を開くと<不在着信>、<新着メール1件>と画面に表示されていた。 携帯電話は閉じられ、彩音さんの手によって視界が遮られた。 ーこの人は何を考えているのだろうか。 突然、携帯電話の甲高い音が鼓膜に突き刺さった。 その奥に見える窓には、無数の水滴が付いていた。 窓から漏れる赤い警告灯が乱反射して、薄暗い部屋を僅かに照らし出す。
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邪魔するものがいなくなったのを確認したのか、再び視界から輪っかが消えた。 以前、グラビアの撮影で写真を撮らせていただいた坂本です。 すると、目を疑う文章が飛び込んできた。 元に戻ろうと駆け寄ってみるが、遠のくスピードに追い付けない。 身体の持ち主が、彩音さんと知って僕は困惑する。
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noicomi vol. 面倒くさそうにボタンを操作して、メールを開く。 完結作品速報 長編作品• つま先が何かから離れている感覚がする。 その合図と同時に、再び視界が開けるが、その視界は徐々に遠くなっていく。 車のハイビームに照らされて煌く雫が、輪の上部にあるベルトのバックルのようなものを映し出す。 休憩中に彩音ちゃんが、猫を撫でようとして逃げられた時に撮った写真です。 見下ろす視界に、ベッドの上で携帯電話が赤く点滅して泣き叫んでいる様子が映し出される。 苦しい…。
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首に押し当てられたものから解放されて、呼吸が楽になった。 わめき散らしている様子をしばらく見ていると、携帯電話は大人しくなった。 何もできない自分の胸の中に、悔しさと苦しさが入り混じる。 身体の持ち主が、ベッドに置いてあった携帯電話を手に取り、少し不機嫌そうに腰を下ろした。 何かが首を少し押し上げる感覚がする。 comic Berry's/Berry's COMICS Vol. 仕事が一段落したら、いつも撮影で撮った写真をいくつか見せながら、外に出れない彼に土産話をしています。 そして、ゆっくりと視界から光が遮断された。
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実は、僕には持病をもった甥がいます。 オフショットなのですが、もし、彩音ちゃんがよければ甥にその写真を1枚、渡してあげたいのです。 無機質な文字が閉じられた。 突如、救急車の甲高い音が聞こえて、僕の意識は覚醒した。 バニラのような甘い匂いが鼻をくすぐる。
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