3. 輸血部門の設置 輸血療法を日常的に行っている医療機関では,輸血部門を設置し,責任医師の監督の下に輸血療法委員会の検討事項を実施するとともに,輸血に関連する検査のほか,血液製剤の請求・保管・払出し等の事務的業務も含めて一括管理を行い,集中的に輸血に関するすべての業務を行う。 その後,当該受血者(患者)に病状の変化等があったことを知った場合は,製造業者等に情報提供するよう努める必要がある。 本副作用の発症要因に関しては,輸血血液中もしくは患者血液中に存在する抗白血球抗体が病態に関与している可能性があり,その他製剤中の脂質の関与も示唆されている。 2) 輸血用血液の保管法 温度管理が不十分な状態では,輸血用血液の各成分は機能低下を来しやすく,他の患者への転用もできなくなる。 また,赤血球濃厚液については長期保存によるエルシニア菌感染が問題となる。 XII 院内で輸血用血液を採取する場合(自己血採血を除く) 院内で採血された血液(以下「院内血」という。 緊急に輸血用血液が必要になった場合には,輸血用血液のオモテ検査によりABO同型血であることを確認して輸血するか,あるいは生理食塩液法(迅速法,室温)による主試験が適合の血液を輸血する。
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原因となる輸血用血液の保存や患者検体の検査については,「血液製剤等に係る遡及調査ガイドライン(平成17年3月厚生労働省医薬食品局血液対策課)」を遵守する(参考1参照)とともに,原因となる輸血用血液の回収等に当たっては参考2に従うよう努める。 院内血による輸血療法を行う場合には,III〜Xで述べた各事項に加え,その適応の選択や実施体制の在り方について以下の点に留意する。 2. 適応の決定 1) 目的 輸血療法の主な目的は,血液中の赤血球などの細胞成分や凝固因子などの蛋白質成分が量的に減少又は機能的に低下したときに,その成分を補充することにより臨床症状の改善を図ることにある。 4) 以前の検査結果の転記や口頭伝達の誤りによる危険性に注意すること。 なお,患者がRho(D)陰性で将来妊娠の可能性のある患者に血小板輸血を行う場合には,できるだけRho(D)陰性由来のものを用いる。
次の参考1 医療機関における細菌感染への対応(血液製剤等に係る遡及調査ガイドライン(抜粋)) 1) 使用済みバッグの冷蔵保存 医療機関においては,輸血に使用した全ての「使用済みバッグ」に残存している製剤をバッグごと,清潔に冷蔵保存しておくことが望まれる(冷凍は不可)。 輸血用血液の保管・管理は,院内の輸血部門で一括して集中的に管理するべきである。 )の輸血が望ましいと考えられてきた場合も,その絶対的適応はない。 2. 輸血専門医(輸血部門専任医師)によるコンサルテーション 単なるじん麻疹以外では輸血専門医に副作用発生時の臨床検査,治療,輸血副作用の原因推定と副作用発生後の輸血用血液の選択について,助言を求めることが望ましい。 2) 交差適合試験 (1) 患者検体の採取 原則として,ABO血液型検査検体とは別の時点で採血した検体を用いて検査を行う。
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2) 乳児の場合 上記1)と同様な条件のもとで,生後4か月以内の乳児で抗Aあるいは抗B抗体が検出されず,不規則抗体も陰性の場合には,ABO同型血使用時の交差適合試験は省略してもよい。 3. 適応 自己血貯血に耐えられる全身状態の患者の待機的手術において,循環血液量の15%以上の術中出血量が予測され,輸血が必要になると考えられる場合で,自己血輸血の意義を理解し,必要な協力が得られる症例である。 注:血管迷走神経反射は供血者の1%以下に認められ,特に若い女性では比較的多く認められる。 全照射野に最低限15Gy(50Gyを越えない)の放射線照射を行って使用する。 4. 副作用予防対策 1) 高単位輸血用血液製剤 抗原感作と感染の機会を減少させるため,可能な限り高単位の輸血用血液成分,すなわち2単位の赤血球濃厚液,成分採血由来の新鮮凍結血漿や血小板濃厚液を使用する。 輸血部門では輸血セットのチューブ部分をチューブシーラでシールすることが望ましい。 検体の取り違いには,採血患者の誤り(同姓や隣のベッドの患者と間違える場合,同時に複数の患者の採血を実施する際の患者取り違いなど)と,他の患者名の採血管に間違って採血する検体取り違いがある。
次の注:輸血用血液の保管・管理については「血液製剤保管管理マニュアル(厚生省薬務局,平成5年9月16日)」を参照。 )第2条第6項に規定 注:平成15年5月15日付け医薬発第0515011号「特定生物由来製品に係る使用の対象者への説明並びに特定生物由来製品に関する記録及び保存について」((社)日本医師会会長等宛て厚生労働省医薬局長通知) XI 自己血輸血 自己血輸血は院内での実施管理体制が適正に確立している場合は,同種血輸血の副作用を回避し得る最も安全な輸血療法であり,待機的手術患者における輸血療法として積極的に推進することが求められている。 5より大きければ四捨五入して整数単位を準備する方式である。 2) 受血者(患者)血液に係る血液培養の実施 受血者(患者)の感染症発症後,輸血後の受血者(患者)血液による血液培養を行い,日本赤十字社に対して,当該患者に係る検査結果及び健康情報を提供するとともに,製造業者等の情報収集に協力するよう努めることが求められる。 また,不規則抗体陽性の場合には(1),(2)と同様に対処する。
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血液型が前回の検査結果と不一致である場合には,必ず新たに採血された検体を用いて再検査を行い,その原因を究明し,そのことを記録する。 VII 実施体制の在り方 安全かつ効果的な輸血療法を過誤なく実施するために,次の各項目に注意する必要がある。 2) 消毒 採血針を刺入する部位の清拭と消毒は,日本赤十字社血液センターの採血手技に準拠して入念に行う。 エルシニア菌( Yersinia Enterocolitica)などの腸内細菌を貪食した白血球の混入の危険性を考慮し,4週以内に水様性下痢などの腸内感染症が疑われる症状があった患者からは採血を行なわない。 後者については,手書きによるラベル患者名の書き間違いの他,朝の採血などで,複数患者の採血管を持ち歩きながら順次採血して,採血管を取り違えることがある。 参考2 原因となる輸血用血液に関する回収及び検査 1) 原因となる輸血用血液に関する検査項目 発熱・呼吸困難・血圧低下などの細菌感染症を疑う症状が認められた場合は,細菌培養のほか適宜エンドトキシン等の検査を実施する。
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