なお、 「専門能力ではなく人物」が重視されていた。 そもそもこういう「社会のしくみ」は、どんな経緯でできあがってきたのか。 コロナショックにより、旅行・観光業界では既に新卒採用抑制の動きが報じられています。 一方、「大企業型」は地域に足場を失いがちだ。 ただ、「官」と同じ待遇で採用されたのは、「上級職員」にあたる近代教育を受けた大卒エリートのみで、当時の大多数の労働者に適用されたものではもちろんなかった。
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アベグレンの調査によれば、「高校卒業の学歴をうまく隠して工員としてはたらいている人」さえ見られた。 地元型は給与も低いが、家があるのでそこそこやっていけるし、政治力もある。 1920年の大学令で早慶など10校が大学と認められ、一気に供給過剰となり、成績上位者が必ずしもビジネスで役に立たないことも分かってきたので、企業の採用も人物本位となり、学校の紹介が重要視されるようになった、というあたりは納得の流れ。 そもそもこういう「社会のしくみ」は、どんな経緯でできあがってきたのか。 【六章】 日本で企業別労組が発達したのは大平洋戦争後、食糧難の中で、疎開にも行けずに荒廃した都会に残された、帰るべき田舎を持たない工場の従業員が互助的に工場内の土地や物資を使って自活するなどの経験が大きかった。
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だから、現場に強い関心を持たなければ文献主義の方法では表には出てきません。 「年功序列や終身雇用、生え抜き主義と言った日本の大企業システムの中にどっぷりとつかり、そこで成功してきた人たち」だと記事は分析している。 どなたかが書いた「三塁打」という表現に納得するものである。 日本の中央官庁では本省の「課」が事実上、日本国政府そのものであり、課長は一国一城の主だが、それはプロイセンの君主やアメリカの世論などの対抗勢力がなかったため。 ゆえに大学院で学ぶことは就職にとって優位に働かない日本では、学歴重視と低学歴がともに成り立つのである。
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所得は低く、地域につながりもなく、持ち家がなく、年金は少ない。 命じられた通りに事務をする仕事(下級職員)• 経営側の裁量を減らすという目的もあり、効率化を目指す経営陣とは同一賃金同一労働でも対立。 本書はこの記事を引き合いに出しながら、卒業した大学名は詳細だが、学部や専攻については何も書かれておらず、「何を学んだかは問題ではないのだ」と記す。 この違和感がなぜ起こるのか。 すでに一部の大学では、生協書籍部でベストセラー入りしているようだ 著者は慶應義塾大学総合政策学部教授の小熊英二さん。 【内容情報】(出版社より) 「日本社会のしくみ」は、現代では、大きな閉塞感を生んでいる。 (『隅谷三喜男著作集』岩波書店) 隅谷は、与えられた社会的条件の中で日本社会と日本企業が生み出した、独自の歴史的対応として日本的経営を分析している。
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明治の日本は、先進的な技術や知識を急速に取り入れたが、有力な民間企業は育っておらず、近代教育を政府が事実上独占していたので、 高等教育を受けた者のファーストキャリアは「官職」になりやすかった。 ・日本のしくみを変えるために、最も重要なことは「透明性の向上」 ・日本では「カイシャ」と「ムラ」が基本単位。 だが、ホームランは褒めすぎだろう。 新書でありながら600ページという常識外れの分厚さにまず目を剥きましたが、中身を読み始めて、これはいったい何という本だ!と叫んでしまいました。 〇全体として、本書のよい点をあげると、一つは、脱線したり、余談に走ったりすることなく、ひたすらテーマに関連する事実とその解釈を述べていることである。
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日本ではまず人を雇い、それに職務をあてがう。 中でも「伸びない大学院進学」というのが気になった。 愛国的な工員たちは敗色が濃くなると幹部たちが物資を横流しして必需品を得ていたのを知って、それが武器の不良品を生み負けたことを戦後、糾弾した。 ただし、その類型ともいうべき「半農半鉄」にひと言も言及していないのは瑕疵かな、とか。 「日本社会のしくみ」は、現代では、大きな閉塞感を生んでいる。 明治期の混沌状態において、 「官庁の制度」が秩序の根拠になり、「学歴」がそこに当てはめられるようになった。
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ここは、私も最近JIL雑誌に書いた「横断的論考」でごく簡単に考察したところですが、そのトピックをここまでねちっこく追及する小熊さんの執念深さには脱帽します。 いったんでき上がった社会の仕組みは、社会のコンセンサスがなければ決して変わらない。 〇第四章以後は、いよいよ「日本型雇用」の歴史に入り、第四章、第五章は明治から戦前、第六章は戦後、第七章は高度成長までを豊富な史料を提示して論じていく。 ・「企業のメンバーシップ」「職種のメンバーシップ」「制度化された 自由労働市場」という社会的機能の内、日本は「企業のメンバーシップ」が支配的な社会。 私自身は、職種で選んだかな。
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そして、その前提となるのは透明性と公開性であり、これがない改革は必ずつまずく。 毎年、新入生が購入するからだ。 永遠の忠誠を誓う代わりに待遇が保証される• したがって手軽な新書の体裁はありがたい。 今後、この方向で分析を「日本社会のしくみ」の解析を進めていくとしている筆者にとって鬼門にならないかな。 アメリカ労働総同盟(AFL)の会長ゴンパースの影響を強く受けて1896年(明治29年)に帰国した高野房太郎らの努力で、生活扶助つまり共済活動に力を入れた職業別組合が成立している。 奨学金の滞納問題を紐解くと、「申込み時」と「就職(出口)」と2つの要因に集約されます。 ・長期雇用と年功賃金を続けようとすれば、適用対象をコア部分に 限定するしかない。
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